【連載:映画で分かる女の本音】~何もかも手に入れる女になるために必要なことは?〜『女が眠る時』

どんなに愛し合っていても、解り合えているように思えても、お互い望むものが必ずしも一致するとは限らないですし、相手が自分に歩み寄ってくれるとも限らない。では、どうするか──。

恋愛や結婚生活のアドバイスとして耳にするのは、彼氏や夫をいかに“手のひらで転がせるか”。

こうしてほしいと自分の意見を真正面からぶつけるのではなく、相手を心地よくさせて、最終的には自分の思いどおりに事を運ぶこと(ちょっと言い方が乱暴かもしれないですが……)。

 

高度な技のように見えますが、実は自分の感情を上手くコントロールできれば決して難しくはないはず。

たとえば、いつもガミガミブツブツ文句を言ってしまって、それが原因で喧嘩になってしまうとしたら、ガミガミブツブツをグッとこらえて、吞み込んで、可愛らしく「お願い」という言葉に置き換えてみる。

すると、意外とすんなり操れたりするものです(まあ、グッとこらえるのが難関ですが……)。

怒らせ上手よりも操り上手になった方が、女の人生は断然しあわせに思えます。

 

そんなことを考えたのは、映画『女が眠る時』に出てくる妻・綾(小山田サユリ)の言動がきっかけです。

ホンネスト

この映画は、美しい海辺のリゾートホテルに滞在しているスランプ中の小説家・健二(西島秀俊)とその妻・綾、謎の初老男性・佐原(ビートたけし)と若く美しい女性・美樹(忽那汐里)。この4人の男女の数日間の物語です。

親子ほど年の離れた佐原と美樹の関係に興味を持った健二は、好奇心からふたりの後を追いかけ、危険を感じながらも覗き見をして、徐々に普通じゃなくなっていくというサスペンスがベースなっています。

ホンネスト

4人それぞれのキャラクター背景はほとんど描かれていませんが、たとえば綾の視点で観ていくと「もしかしてこれは……」と『ゴーン・ガール』的な計算高い女にみえてきたりもします。

4人のキャラクターのどの視点で観るかによって、物語の捉え方がぜんぜん違ってくる。

要はこのキャラクターは「もしかして……」と、自分自身の勝手な想像を入れる空白が用意されている面白さがある。

ホンネスト

恋愛において、異性を惹きつけるコツとして、引き出しは多い方がいい、最初から自分がどういう人間かを見せすぎない方がいいと言われています。

それらがこの映画にもあって──すべてを描かない、答えを出さない、だから考える。

そして考えることで興味が湧き、なんだか面白い映画だったなぁという結論に落ち着く。

気づくと映画の世界観に巻き込まれてしまっているパターンです。

ホンネスト

「なぜ、佐原は美樹の眠る姿をビデオに撮るのか?」という不気味なサスペンスに迷い込む健二の目線で観るか、「すべて計算づくだったってこと?」という女の欲望にゾクッとさせられる綾の目線で観るか。

もちろん、佐原目線、美樹目線でも違ってきます。なんとも不思議な映画ですが、女の本性を実感できるのはやっぱり綾の目線。これであなたも恋愛策士になれるかも!?

 

『女が眠る時』

2016年2月27日(土)公開 ビートたけし 西島秀俊 忽那汐里 小山田サユリ 新井浩文 渡辺真起子 / リリー・フランキー(特別出演)

監督:ウェイン・ワン

原作:ハビエル・マリアス「女が眠る時」 脚本:マイケル・K・レイ シンホ・リー 砂田麻美

(C)2016 映画「女が眠る時」製作委員会

公式サイト http://www.onna-nemuru.jp/