【ネット婚活】【連載】ショジョの奇妙な冒険~腕枕はサディスティックプレイ~

「腕まくら」、それは愛あるカップルの定番シチュエーション。恋愛ショジョで「腕まくら」未経験の私でも、漫画やドラマ、映画のラブシーン等で、このロマンチックな場面を見聞きしています。ですが、イマイチこの「腕まくら」にトキメクことができません。

だって腕まくらって実際のところ、苦行じゃないですか?

まず頭を預ける側からすれば、絶対に寝心地がよくありません。昨今のトレンドは低反発枕なのに、筋肉に覆われた腕は間違いなく高反発。「首の後ろに骨があたって痛い」とか「気をつかって熟睡できない」という感想が聞かれるあたり、むしろ安眠を妨害しています。テンピュールの方が、枕として彼氏の腕よりはるかに優秀です

それに腕を差し出す側も、普段は自由な腕の動きを一晩封じられるわけですから、ある意味拷問を受けているようなものです。実際Googleで「腕まくら」で検索をかけたところ、関連ワードとして並んだのは「肩こり」「しびれ」などなど。まるで生活習慣病です。枕になる方も、決して楽ではないようです。

これだけ巷に「痛い」「寝にくい」等のリアルな声が溢れているにも関わらず、腕まくらが廃れる気配はありません。今宵もどこかで、痛みと痺れに耐えながら彼女へ腕を差し出す彼氏と、寝不足を承知でその腕に頭を預ける彼女がいるはずです。

なぜ「腕まくら」は愛情表現の定番として有り続けるのか。そのナゾについて考えた時、私は思いました。

哲学の用語に「ヤマアラシのジレンマ」という、近づきすぎると互いのハリで傷つけあい、離れてしまうと温もりが届かない人間関係の難しさを表す例え話があります。が、重い頭や硬い腕を受け入れ、互いに痛みや不自由に耐えつつ、密着して温もりを分かち合う行為は、まさに寄り添うヤマアラシ。腕まくらとはつまり、ジレンマを超えた究極の愛を目指す、カップルの挑戦だと思うのです。

肩こりや腕のしびれ、睡眠不足を気にして腕まくらに挑まないのは、愛に対する不貞行為でありましょう。むしろ障害を乗り越え、腕まくらで熟睡できる境地に達することこそ、真実の愛といえるのではないでしょうか。

どんな腕を差し出されても熟睡してみせる! 私の覚悟はバッチリですが、肝心の彼氏と添い寝の予定が未定の現在。真実の愛を体感することは、まだまだ先の話になりそうです。