【ネット婚活】【連載】ショジョの奇妙な冒険~お姫様抱っこは新世界の象徴~

鳴り響くウェディングベル。教会の扉から登場する新郎新婦。祝福のライスシャワーの中、新郎が隣の新婦を抱き上げて、そのまま真っ白なロールスロイスへ。「お姫さま抱っこ」という言葉から私がイメージするのは、こんな結婚式の一場面。

もっとも、実際に「お姫さま抱っこ」をされたことはなく、友人の結婚式でも見たことがないので、このイメージは少女漫画や映画の刷り込みかと思われます。

ですがこの「お姫さま抱っこ」、ロマンチックなイメージと現実との間には、渋谷駅の東横線からJRへの乗り換えくらい、遠い距離があるようです。

まず「お姫さま抱っこ」という呼び方はいわゆる俗語で、正式名称は「横抱き」。ロマンのかけらもありません。さらにこの抱き方は抱き上げる側の負担が大きく、腰痛や相手を落っことすリスクもあって、長時間の移動には向かないとか。つまり見た目は派手ですが、実用的ではないわけです。

抱き上げる側は腰痛のリスクを抱えながら、両腕でパートナーを地球の引力に逆らってホールドしなくてはなりません。また抱かれる側も落下の恐怖と隣り合わせで、戸惑いや恥ずかしさ、申し訳なさを覚えるようです。

それでも世の中には、この「お姫様抱っこ」に果敢に挑戦するカップルが後を絶ちません。なぜ腰痛や落下のリスクを負いながら、恋人達は地球の引力に逆らおうとするのか、私は考えました。

引力というものは恋愛というフィールドでは、恋人同士が引かれ合う力なのではないかと。

「お姫様抱っこ」は、抱き上げる側にとっては、両腕でパートナーを地球の引力ではなく自分へ引き寄せる行為であり、抱き上げられる側は、恋人の引力のみに身を委ねるひと時となります。

つまり「お姫様抱っこ」をしている恋人達は、地球の引力というしがらみから抜け出して、2人の間にしか存在しない引力、お互いを引き寄せる世界を作り上げているのではないでしょうか?

「お姫様抱っこ」はロマンチックなイメージと裏腹に難易度の高い大技ですが、成功の暁には新しい世界が開けるに違いありません。そんな世界に憧れつつ、私は引力を感じる男性とめぐり逢うことを夢見る日々を送っているのです。