【連載:映画で分かる女の本音】離婚と浮気で消えかけた愛を取り戻す!? ~『ラブ・アゲイン』~

好きな人をふり向かせるためには、失った愛を取り戻すためには一体どうすればいいの? 洋服や靴、バッグ、アクセサリーといった"モノ"であれば、頑張ってお金を貯めたらある程度は手にすることができます。でも"人の気持ち"、こればっかりはモノのように手には入らなくて、コントロールできないし縛ることもできない。好きになればなるほど相手の気持ちを独占したくなる、けれどできない、だから苦しくなっちゃうんですよね。今回ピックアップした『ラブ・アゲイン』はそんな愛について──愛を手に入れたい男と女、愛を取り戻したい男と女がそれぞれの愛のために奮闘するラブコメディです。

物語のベースとなるのは主人公のキャル(スティーブ・カレル)と妻のエミリー(ジュリアン・ムーア)の離婚問題。高校時代に恋に落ちて、結婚して、可愛い子供にも恵まれて、夫婦円満だなぁ……と思っていたのは夫のキャルだけで、彼はある日突然、妻のエミリーから「離婚したいの。浮気をしたの」とショッキングな告白をされるんです。そのシーンの2人の会話がこれまた見事な"すれ違い"で、申し訳ないけれど笑ってしまいます

エミリーはキャルの何が不満だったのか? 夫が働かないとか浮気しているとか性格の不一致とかそういうことではなく、昔はあれほど愛してくれていたのに今はそれを感じることができなくなっていた、ということなんですね。ものすごく簡潔に言うとマンネリ? 安定した生活を望みつつも出会った頃のようなドキドキがたまには欲しい。自分は愛されているんだ、必要とされているんだということを確認したかったんだと思います。ええ、エミリーの心のホンネはわがままかもしれないですが、ものすごくよく分かります

だからでしょうか。普通"浮気をして一方的に別れを告げる妻"は確実に悪者に映るはずなのに、エミリーのホンネに共感し、彼女がとった行動に「そうだよね、そうしちゃうよね」って納得しちゃうんです。かといってキャルを非難してしまうかというとそういうわけでもなく……。要はいろんなキャラクターに共感できるんですね、この映画。ちなみにスティーブ・カレルジュリアン・ムーア以外にもライアン・ゴズリングエマ・ストーンマリサ・トメイケビン・ベーコンなどキャストが超豪華!

そんな豪華キャストたちが演じるキャラクターを巻き込みながら描かれるのが、キャルの"イケメンへの道のり"です。自分自身を省みて愛する人にもう一度ふり向いてもらいたいと頑張るわけですが、その頑張りがとにかく面白くて、おまけに予想外の感動が待っています。きっかけはバーでひとり悲しみに暮れるダサくてイケてないキャルに興味を持った、見るからにモテ男のジェイコブ(ライアン・ゴズリング)の出現。イケてる彼から格好いい男になるためのノウハウを学び、次々と女を口説き、キャルは見た目も中身も変わっていく。そして、本当に大切なものは何かを気づかされるんです。

自分のホンネって気づいているようで実は気づいていないことが多いもの。この映画のキャラクターたちを見てハッとする瞬間があるとしたら、それが自分自身のホンネに気づくスイッチなのかもしれません。

 

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