【連載:映画で分かる女の本音】恋人!? 友だち!? 近すぎて気づかない“好き”な気持ち~『あと1センチの恋』~

「好き」って言ってしまえば何かしら答えは出るのに、そのひと言が言えなくて悶々とした日々を送った経験、片想いをしたことのある人ならきっと身に覚えありますよね。特に友達以上恋人未満というやっかいな関係の場合は、ある日ふとしたきっかけでどちらかが男として女として相手を意識してしまうと、もう以前のような友だちではいられなくなってしまう。それが男と女。

昨日までは相手に彼氏彼女ができようがどうしようが平気だったのに、心の中にあらかじめ用意されていたかのような"この人のことが好きです"ボタンが勝手に押されてしまうのが、いわゆる恋に落ちる瞬間。そうやって自分の気持ちに気づいてしまったら相手の何もかもが気になって仕方なくなるわけです。けれど、「好き」と言ってしまったら今までの友だちとしての良き関係が壊れてしまうかもしれないという恐怖が生まれ、安易に「好き」とは言えなくて、でも走り出してしまった気持ちは止めることはできなくて、告白するかのみ込んで無かったことにするか──。そんな友達以上恋人未満の恋をとてもリアルに描いているのが、リリー・コリンズとサム・クラフリンが共演している『あと1センチの恋』です。

ホンネスト

ロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)は6歳の頃からの幼なじみで、一緒に成長して青春を過ごしてきました。くだらない話で盛り上がったり、真剣に夢を語り合ったり、恋の悩みだってセックスの相談だって何でも話せる大切な存在。それなのに、あまりにも近くにいすぎたせいで、幼なじみとして好きなのか男女として好きなのか境界線が曖昧で、ふたりはやがてすれ違ってしまうんです。一緒に大学に進学するはずだったのにロージーは予定外の妊娠をしたことで断念。ずっと一緒だったふたりは初めて別々の人生を送ることになります。

はたから見たら相思相愛。なのに、どうして当の本人はそれが分からないのー! 相手の視線に気づけないのー! もどかしい気持ちが何度も訪れ、その度にドキドキ、ヤキモキ、ズキズキさせられるんです。そして考えるのは、もっと早く「好き」って言えてたら2人は何の障害もなく幸せになることができたんだろうか? いや、幸せになるための12年という考え方もあるんじゃないか? 不思議なことに、映画を観終わるとすべてに意味があるのかもしれないなぁと思えてきます。

恋が始まったり実ったりするのは"恋の三原則"──Timing(タイミング)、Feeling(フィーリング)、Happening(ハプニング)が重なったときだと言います。ロージーとアレックスの場合、フィーリングは問題なしですから、ここがタイミングだったんじゃないか? あの出来事がハプニングだったんじゃないか? と考察しながら観るもよし、私ならここで「好き」という本音を伝える! などシミュレーションしながら観たりするのもよし。恋にまつわるあらゆる気持ちを疑似体験できる映画なんです。

 

 

071407_03『あと1センチの恋』 好評発売中 発売元:ファントム・フィルム 販売元:TCエンタテインメント 価格:DVD 3,800+税 Blu-ray 4,700+税 (C)2014 CONSTANTIN FILM PRODUKTION GMBH