【連載】オトナ漫画の原作者が語る日常に潜むエロス~路地編~

どこまでも続く道は時として人生に例えられ、称賛されたり悲哀に満ちたり、様々な形で表現されます。私は常日頃から目に映る全てのものに対してエロスを見い出すように気を付けていますが、先日ふと路地にはとんでもないエロスが潜んでいるのではないか。という事に気づいたのです。

路地に潜むエロス①T字路

ホンネスト

突き当たるT字路。右か左かどちらに進むか決断を迫られる路地には、まさに白か黒かの潔い決断を要します。結局どちらを選んでも、選ばなかった方をうらめしく思うのが人間の性でもあり、その後悔の念が甘く歯がゆい残り香となって私たちをくすぐるのです。   選ばなかったもう一つの道が、大股を開いて私を誘います。その大きく開かれた誘惑のお口を尻目に私達は前進します。人はボートをこぐように過去という後ろを向きながら前進すると、昔の偉い方は言いました。T字路にはまさに大人の階段的なエロスが潜んでいると私は思うのです。

路地に潜むエロス②三叉路

ホンネスト

Y字路に通じるエロスがあり、三叉路という響きが既に卑猥です。エロスワードは皆無なのに、なぜこんなにもいやらしい響きを漂わせるのか。人を惑わせる魔性の女のように感じます。三叉路に一歩踏み込むと身ぐるみ全てはがされて、路の中心ではずかしめを受けてしまうような、不思議な感覚……。   三叉路の真ん中に立ちますと、三方向から攻められてしまうのではないかと嬉しい錯覚に陥って、身体の奥からエロスがわき上がります。これぞエロスマジックと言うに相応しいエロスが三叉路には潜んでいます。

路地に潜むエロス③十字路

ホンネスト

全ての道が交差する、まさに乱痴気騒ぎのお祭り状態な道、十字路。老若男女国境を問わず、全ての人を受け入れ、いやらしく交わり、過ぎてゆく。十字路には、そんな節操の無さを感じます。おそらく自分に自信が無いのかもしれません。   自分を守るために愛想良く振る舞ってしまい、勘違いされて言い寄られ、弄ばれて棄てられてゆくパターンを繰り返した末に達観してしているようなスピリッツを感じます。全てを受け入れるのは簡単な事ではありません。もしかしたら十字路には悲しいまでに強いエロスが潜んでいるのではないか。十字路に立つ度に、私は両足から力強いエロスの叫びを感じるのです。

 

人生は道に似ています。エロスがあればなんでもできる、 と誰かが言っていたような気がしなくもありません。