「理想の人は、元彼とは違う人!」の罠 by ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』ぱぷりこです。よく婚活・恋活相談を受ける時、私は「ゆるふわ言葉と形容詞は爆破せよ!」と主張しています。なぜなら、考えているようで何も考えていないから。

本連載では、「どんな人が好み?」への回答によく見られる「あいまい・ゆるふわ表現の罠」を分析します。

 

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本日のゆるふわ表現「元彼とは違う人」

「次に付き合う人は、絶対に元彼とは違う人がいい!」

前の彼が3股同時進行だった。

コンプレックスの塊でなにかにつけて「お前はいいよな、女だから楽で」などと言ってなじってくる人だった。

彼氏だと思っていたら気づいたら結婚していた……。

このような「前に付き合っていた彼がやばい男だった」女性は、「次に付き合う人は元彼とは違う人がいい!」とよく口にします。

「前の失敗を繰り返したくない、別の人と付き合いたい」と思うのはもっともなことです。さんざん傷ついて泣いたのに「やっぱり前彼と付き合いたい」と言っていたら「この人はサメに頭を甘噛みされて記憶喪失になったのかな?」と疑われてしまいます。

 

元彼とは違う人= 元カレのダメ&イヤだったところがない人

しかし、「元彼と違う人」とはどんな人なのかがわかりません。元彼がクローン技術開発生まれでもない限り、元彼以外の男はすべて「元彼とは違う人」です。

具体的な話に耳を傾けてみると……

「元彼は、自分に都合が悪いことはオレオレ理論で論破しようとしてきて、ぜんぜん話し合いにならなかったんだよね。だから今度はちゃんと私の話を聞いてくれる人がいい」

「元彼は転職に失敗してからすごく卑屈になって一緒にいるのがつらかった。次に会う人はもっと自信がある男らしい人がいい」

どうやら「元彼とは違う人」とは、「元彼のダメ&イヤだったところがない人がいい」という意味のようです。そして、基準として考えている元彼が1人ならまだしも、3人以上になると「A君みたいな浮気性じゃなくて、B君みたいなケチじゃなくて、C君みたいなモラハラじゃない人」と、どんどん条件が加わっていきます。

 

元カレの「ダメなところがないだけの人」を求めると陥りがちな 

このように、「元彼とは違う人」を「元カレのダメ&イヤだったところがない人」」という意味で使っている場合、下記の罠に陥る可能性があります。

・元彼のダメなところがないが、別のダメなところがある男に引っかかる

・元彼のダメなところがないけど「なんか違う…」となってお別れする

・短期恋愛ばかりを繰り返す

・人にダメ出しする癖がつく

「元彼のダメなところがない人」という基準で恋愛相手を探していると、別のダメなところがある男性に引っかかりやすくなります。

「コンプレックスが強い元彼に嫌気がさして、コンプレックスがなく自信がありそうな人を選んだら超絶ウエメセのモラハラ男だった」といった「妖怪男行脚」の事例はよく聞きます。

次の彼は妖怪男ではなかったものの「うーん、なんか違う」と言って結局すぐにお別れする罠にもはまりがち。

「浮気されてつらかったから、絶対に浮気しそうにない人を選んだら、あまりにも女慣れしてなくてエスコートが下手で無理だった」「ハイスペモラハラ男と付き合って傷ついたから優しい人を選んだけど、優柔不断でイライラする」と言ってすぐにお別れしたり「やっぱり元彼のほうがいいのかな…」と妖怪男アゲインしたりします。

 

このような「元彼と違うタイプと付き合ってみたら別の妖怪男だった&なんか好きになれない」コースにどっぷりハマると、短期恋愛を繰り返し、元彼カウントばかりがガンガン上がることに。かつ、人に対する「なんか違う」というダメ出しの癖がつくようになり、いいところを見るのではなく悪いところを見つけて足切りする、という悪癖がついてしまいます。

 

結論:条件設定に「相対比較+否定形」はNG。肯定形で明文化しよう

彼女たちが迷走恋愛コースに突っ込むのは「自分の理想の相手をわかっていないから」です。「元彼とは違う人」という条件があるように見えますが、これは条件になっていません。

これは「ランチになにを食べるか」で考えてみるとわかります。

「ランチ、なにがいいー?」
「サンドイッチじゃないやつ! 今朝食べたばっかりなんだよね。あと牡蠣もダメかな。昔あたったことあるし」

「じゃあパスタは?
「うーん、なんか長いものの気分じゃない。別のやつ」

「焼肉は?」
「こってりしてそうでイヤ」

「サラダは?」
「栄養が足りなさそう」

「中華は?」
「もっとおしゃれなのがいい」

以下果てしないループ……。

 

このように「○○じゃないものがいい」という「相対比較+否定形」コンボは最悪です。比較対象以外のものが無限にヒットするため、まったく絞りこみができないからです。この方法を取っていると、マッチングするまでの総当たり戦になります。

自分が欲しいものが「ラーメン」のように比較的ヒットしやすいものであれば、総当りしていればいつかは当たるかもしれませんが、「ウガンダ料理」のように国内に数店舗あるかないかのマイナーな料理が「理想」だった場合、下手をするとマッチしないまま人生が終わる可能性があります。

条件の目的は「絞り込み」ですが、「ノット元彼」という条件のつけかただと、イヤなタイプはわかっても「自分はどんな人が理想なのか」がわかりません。「イヤなタイプを避ける」ことと「好きなタイプと出会う」ことはまったく違います。世の中の大半は「イヤじゃないけど好きでもない人」だからです。

出会ってすぐ「はい元彼と似てるー! アウトー!次!」「元彼と似てない!OK!でもモラハラでアウト!次!」と秒速判断できればいいですが、恋愛関係では相手を知るまでに最低でも数か月が必要です。運良く「元彼と違う、かつ、好きになれる人」に出会えればいいですが、運が悪い場合、あっというまに数年が吹き飛びます。

 

この罠を避けるには、条件を「○○な人がいい」と肯定形で考えることが有効です。

繰り返しますが、条件は探索範囲を絞り込んで、マッチングする確率と速度を上げるためにあります。

ろくに絞り込みができない条件は、条件として不適切です。

これまでの恋愛経験は無駄にはならないので、過去を振り返り「こんな人はイヤだ」ではなく「こんな人がいい」という条件に置き換えてみることをオススメします。

 

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著者:ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』を書くインターネットの妖精&外資OL。恋愛市場で観測した百鬼夜行を供養中。チャームポイントは筆圧。

ブログ:『妖怪男ウォッチ』
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Twitter:https://twitter.com/papupapuriko?lang=ja

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