「理想の人は、いいパパになりそうな人!」の罠 by ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』ぱぷりこです。よく婚活・恋活相談を受ける時、私は「ゆるふわ言葉と形容詞は爆破せよ!」と主張しています。なぜなら、考えているようで何も考えていないから。

本連載では、「どんな人が好み?」への回答によく見られる「あいまい・ゆるふわ表現の罠」を分析します。

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本日のゆるふわ表現「いいパパになりそうな人」

「子供が欲しいから、いいパパになりそうな人と結婚したい」

結婚を前提にしたお付き合いをしたい女性は、「いいパパになりそうな人がいい」と理想を語ります。 

「子供ができたら不倫すると決めていた」「子供が実は大嫌いなので、子供がうまれたら家を出る」と宣言する邪悪パパより、いいパパのほうがいいに決まっています。

「あなたが落としたのはいいパパですか? それとも悪いパパですか?」と泉の妖精に聞かれたら、ほとんどの人が「いいパパ」と答えるでしょう。

 

いいパパになりそうな人= 休日に子供と遊びたい子供好きの人

「いいパパになりそう」……なにも問題がない表現のように見えますが、「いい」というゆるふわ形容詞に加えて「なりそう」という推定が入っています。わかりそうでまったくわかりません。

では「いいパパになりそうな人」とは、具体的にどういう人なのでしょうか?

 

「子供が好きで、息子と一緒にサッカーとかしてくれる人かな。近くの公園で見ていて、いいなと思ったんだよね」

「この前、婚活で知り合った人が、すごくいいパパになりそうだったんだよね。子供好きって言ってたし、お姉さんの子供と遊んであげてるらしいし、まさに理想だなー」

「私、お父さんのことがぜんぜん好きじゃなかったんだけど、なんでかって考えたら、仕事人間でぜんぜん一緒に遊んでくれないし、休日もほとんど家にいなかったんだよね。だから、ちゃんと休みに家にいて子供と遊んでくれる夢を共有できる人がいい」

 

「いいパパ」とは「子供が好きと宣言している人」「休日に子供と遊ぶことを夢見る人」のことを指しているようです。

 

休日に子供と遊びたい子供好きの人を求めると陥りがちな

このように、「いいパパになりそうな人」を「休日に子供と遊ぶ夢を持っている、子供好きの人」という意味で使っている場合、下記の罠に陥る可能性があります。

・手間がかからず責任もない「他人の子供が好き」な男性にひっかかる

・「自称イクメン男」になる男性に引っかかる

・ワンオペ育児になる

・夫への怒りがたまり、呪いをはくようになる

「子供が好き」という理由として、「親戚や友人の子供と実際に遊んでいる経験」を挙げる人は多いですが、ここでいう子供とは「育児責任がない他人の子供」であり、「子供と遊ぶ経験」は年に多くても数回、数時間だけの事柄です。

 

しかし、自分の子供は「責任があり、24時間態勢で向き合う」必要があります。「責任がない他人の子供と楽しく数時間遊ぶ」ことと、「責任をもって自分の子供と24時間体勢で向き合う」ことはまったくの別物です。

仕事に例えてみるとわかると思います。1日に2時間×3日だけ、仕事を経験したインターン生が「俺、本当にこの仕事が好きだし、得意だ」と言ったからといって、「本当に好きなんだね! すごく向いてるし得意だし、天職! 雇いたい!」となりますか?

多くの人は「いやいや、楽しい一瞬をちょっと経験しただけでしょ? あなたに振ったのは、うちの仕事の中でも花形仕事の簡単なサポートだよ。インターン学生はお客様だし。他にやることは腐るほどあるんだよ。1%の仕事を見ただけで自分が向いているかどうかなんてわかるわけない」と思うでしょう。それと同じです。

 

このような「楽しい一瞬をベースにしたファンタジー育児」をベースに相手を探すと、「責任がなく楽しいファンタジー育児は好きだけど、責任があり面倒くさいタスクもあるリアル育児はいやがる男性」を見抜くことができません。

彼らは「本当に子供が好きだ」と心の底から言いますし、「一緒にでかけたいね」「サッカーさせたいね」「アウトドアしたいね」という夢を語り合えるので、共感して意気投合できてしまいます。

しかし彼らの「子供好き」は、「ただし楽しくて責任があまりないことに限る」という限定条項がついています。そのため、いざ実際に子供がうまれて、数時間続くギャン泣き、ヨダレまみれウンコまみれの「リアル」に直面した時、「あ、こういう面倒なのムリ」と投げ出します。

面倒な部分を投げつける先は、もちろん妻となる女性です。「育児は女性のほうが得意だから」「俺は仕事だから」「飲み会も仕事のうち」ともっともらしい理屈を並べて育児の大半を女性に押しつけ、疲れていない土日だけ「楽しい育児」をエンジョイする「自称イクメン」になります。

 

この手の「自称子供好き・自称イクメン」と結婚した女性はワンオペ育児に苦しんだり、仕事や趣味を自分だけやめざるをえなくなったりと、多大なコストを自分だけ支払うことに。

人間は、「自分が損をしている」状態をとても嫌う生き物であり、身近にいる「自分を搾取して得をしている人」を憎むようになります。都合のいい時だけ家事育児を手伝って(「手伝う」という単語がそもそも責任感を欠片も感じません)、「子供好き」「イクメン」をアピールしつつ、妻に圧倒的不平等な犠牲を強いる夫と24時間365日一緒に生活していたら、「夫 死んでほしい」とググるようになるのも時間の問題です。

 

「好きで結婚したはずなのに、ここまで夫を憎むようになるなんて…」と自己嫌悪に陥り、結婚前より怒りっぽくなり心が荒んでしまう(しかし諸悪の根源は毎日家にいる)という地獄エブリデイモードになってしまうことも。

 

結論:いいパパになる人を探すなら、他に見るべき能力がある 

この罠にはまるのは、「いいパパになりそうなイメージがある人」と「実際にいいパパになる素質がある人」という、まったく違うものを同一視してしまうからです。

罠にはまらないようにするには、休日をアハハ・ウフフ・エンジョイするだけの「ファンタジー・パパ」をベースに考えるのではなく、「実際の育児」をベースに考えることです。「実際の育児」を経験したことがない未婚・子なしの人でも、周囲にいる既婚・子持ちの人から話を聞いたり、インターネット記事を探したりと、未経験でも収集できる情報はたくさんあります。

 

では実際、育児を一緒に乗り越えられる人はどんな人でしょうか?

 

まず、「家事能力」は必須です。家事ができない男性と結婚することはすなわち、世話をする相手がデフォルトで1名増えることです。専業主婦ならまだ余裕があるにしても、共働きの場合、家事&育児&夫の世話&仕事をするのは、ブラック企業も真っ青の無理ゲーです。

そして「育児をすることへの責任感」。「楽しいときだけ育児をサポートする&手伝う」といったお客様感覚の人ではなく、「きちんと夫妻2人で責任を持って育てる」という当事者意識を持った人を選ばないと、「女性がメインで俺はサブね」と堂々と不平等条約を結ばれてしまいます。

また「話し合い能力」も大事です。育児という未経験のことに挑戦する時は、想定外の問題にたくさんぶち当たります。問題が起きた時に話し合える能力がないと、衝突ばかりになり、不満が蓄積しまくります。

それから「労働時間の長さ」も重要な要素です。いくら上記3つがそろっていても、毎日終電まで残業していたら、結局は妻1人に家事育児の負担がかかります。労働時間は、会社や業界の体質によって決まるので、個人でコントロールしにくいものではありますが、転職やジョブチェンジなどの方法がありますので、事前にすりあわせておくことをおすすめします。

 

これら4つは、「妻だけに負担と不満が偏らないようにする」ための条件です。「いいパパになる人を探すのに、妻目線で考えるの?」と疑問がわくかもしれませんが、「パパ」となる人は自分の「夫=パートナー」になる人であることを忘れてはいけません。

妻に負担を強いて心身を病ませる「夫」が、果たして「いいパパ」になるでしょうか? 子供にとって「いい家族」とは「パパもママもごきげんな家族」ではないでしょうか?

 

ファンタジー・パパをベースに育児を考えている女性は、今すぐその幻想をぶち壊しましょう。見るべきはリアル! ノット・ファンタジー!

 

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著者:ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』を書くインターネットの妖精&外資OL。恋愛市場で観測した百鬼夜行を供養中。チャームポイントは筆圧。

ブログ:『妖怪男ウォッチ』
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