「理想の人は、思いやりがある人!」の罠 by ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』ぱぷりこです。よく婚活・恋活相談を受ける時、私は「ゆるふわ言葉と形容詞は爆破せよ!」と主張しています。なぜなら、考えているようで何も考えていないから。

本連載では、「どんな人が好み?」への回答によく見られる「あいまい・ゆるふわ表現の罠」を分析します。

f:id:zexyenmusubi_honnest:20180427231348j:plain

本日のゆるふわ表現「思いやりがある人」

「思いやりがある人がいい」

「思いやりがある男性」は、幅広い層の女性に大人気です。「君と僕は別の人間だ。よって君の気持ちを理解する必要性を感じない」と言ってくるホモ・血の色が緑・サピエンスよりも、「君のことをちゃんと考えているし、理解しようとしている」と思いやってくれる人のほうがいいに決まっています。

 

思いやりがある人= 察する能力が高い人

「思いやり」とは、広辞苑によれば「相手の立場や気持ちを理解しようとする心」ですが、「思いやりがある人が理想」と言う人は、具体的にどのような人を求めているのでしょうか?

「今好きな人はすごく思いやりがある人で、私が困っているとすぐに声をかけてくれたり、心配してくれるんだよね。私は長女のせいか、人に頼ることが得意じゃないから、彼みたいな人と付き合ったら幸せだろうなと思う」

「今の彼は、ぜんぜん思いやりがなくて不満。私は疲れてるのに家事をやってくれないし、なにかを選ぶ時はいつも自分の意見を言うだけで私のことは考えてくれないし。元彼はすごく思いやりがあって、私のしてほしいことを言葉にしなくてもやってくれたし、いつも私を優先してくれたから、どうしても比べてしまう。元彼は収入が不安定だから別れたけど、失敗したかも…」

このように、「思いやりがある」という言葉を、「自分の気持ちを察する能力が高く、感情ケアをして願望を叶えてくれる」という意味で使っている人がいます。

 

 察する能力が高い人を求めると陥りがちな

「思いやりがある人」を「自分の気持ちを察する能力が高く、感情ケアをしてくれたり願望を叶えてくれる人」という意味で使っている場合、下記の罠に陥る可能性があります。

・遊び人に引っかかる

・不倫おじさんに引っかかる

・人(彼氏候補、夫)に不満を覚えやすい

・不満解消のために浮気、不倫する

まず、毎度おなじみの「遊び人&不倫おじさん」コンビに引っかかります。彼らは女性の「察してほしい」ニーズや、不満や不安を覚えている女性を見抜く能力に長けています。

不安そうな女性や不満を抱えている女性を見たら「どうしたの?不安そうだけど」「なんか元気がないね」「よければ相談に乗るよ」と声をかけ、「そうだね」「わかるよ」「僕もそう思ってたんだ」と共感を示すのは、彼ら遊び人の基本作法です。

なぜなら彼らは優しい言葉をかければ「思いやりがある人だ」「ちゃんと自分のことをわかってくれる人だ」と女性からの好感度が爆上がりすることをよーく知っているからです。

しかし、彼らの「思いやり」は残念ながらテンプレで、あなただけのオーダーメイドではありません。「思いやりがある彼」のはずだったのになぜか体の関係になったら先に進まない…という恨みつらみ話はよく聞きます。

 

このまま「遊び人のおもてなしに慣れて、ノン遊び人に不満を覚えて付き合えない」コースも王道です。

さらに、遊び人コースにはまって疲れ果てたり、「30歳までに結婚したい」といった理由から「とりあえず告白してきた人と付き合う&とりあえず結婚」したとしても、「夫がぜんぜん思いやりがない!」「夫がわかってくれない!」と不満を爆発させることになります。不満を解消するために「思いやりがあってわかってくれる人」と浮気や不倫に走ることも。

 

結論:「察してもらう」だけではリスキー。伝える能力を磨こう

「察する能力が高い人」を求める人は、自分の気持ちや願望を言語化する能力が低いことが多いです。自分の気持ちを言うことが苦手…でもわかってほしいし願望を叶えてほしい…そうだ、「言語化しない自分の気持ちを理解して叶えてくれる」能力がある人をパートナーにすればいいんだ!という構造です。

確かに、自分の苦手なスキルを他人に求めることは戦略のひとつではありますが、この戦略には落とし穴が2つあります。1つは、「察する能力が高い男性」の数がニーズに対して少なく、激烈な競争になりがちなこと。もう1つは、自分の気持ちを言語化するスキルが発達しないことです。特に後者はじわじわとQOL(生活の質)をむしばみます。

「他人に外注する」ことは「自分の負担が少ない」メリットがありますが、「自分でコントロールしたり解決したりできない」というデメリットがあります。「察してくれる人」だけが周りにいれば平和ですが、そうでない人と付き合う時は不安や不満を覚えやすく、かつ自分ではそのマイナス感情を処理できません。

たとえ察する能力が高い男性と結婚できたとしても、義両親や親戚が「察する能力が高い」とは限りません。子供ができたとしたら、子供は察する能力などありませんので、日常的に不満や不安をためやすくなります。たまった不満を解消するため、周囲の人々にキツく当たったり、「もっと察して!」と求めすぎたりして、疲弊させてしまうこともよくあります。

 

この罠にはまらないようにするには、「自分の気持ちや願望を言語化して自分で伝える」能力を磨くことです。他者に外注して依存しているから、自分ではコントロールできず、つらい状態になったら抜けられなくなるのです。あるていど自分でもできるようにして他者への依存度を下げれば、罠にどっぷりハマって抜け出せなくなる事態は避けられます。

なにか不満や不安があったら、日記なり非公開ブログなりに書き出してみることが、「言語化」訓練の第一歩です。

きれいな文章である必要はまったくありません。時系列がめちゃめちゃでも、思いつきでも、なんでもいいのでそのまま書き残しましょう。

何日か書き溜めていると、自分がなにを求めているか、なにを不満に思っているか、なにがいやか、傾向が見えてきます。「家事をやってほしい」「もっと女扱いしてほしい」「つらい時はアドバイスせずまず肯定して欲しい」といった願望が見えてきたら、相手に伝えてみましょう。

「伝える能力」がつけば、自分で自分の不安や不満を解消できることが増えてきます。自分もハッピー、周囲もハッピー。最高です。

 

「思いやり」はとても大事なものですし、人に助けを求めることも必要です。ただ、「思いやり」として求めていることの中身が「自分の気持ちを察してくれる」で、かつ恋愛がうまくいかない場合、「他人に思いやりを求めすぎて負担をかけていないか? 自分のことばかりになっていないか? 自分は相手に思いやりを持てているか?」を確認してみることをオススメします。

 

f:id:zexyenmusubi_honnest:20170723113414p:plain

著者:ぱぷりこ

『妖怪男ウォッチ』を書くインターネットの妖精&外資OL。恋愛市場で観測した百鬼夜行を供養中。チャームポイントは筆圧。

ブログ:『妖怪男ウォッチ』
http://papuriko.hatenablog.com

Twitter:https://twitter.com/papupapuriko?lang=ja

この作者の過去記事