【ネット婚活】【新連載:山崎元の男と女の婚活経済学 9】「地雷男」は、こうして避ける

「地雷男」とは?

女性が入るメンバーで人生相談的な話題になった場合に、高い頻度で受ける質問が「結婚相手として、避けた方がいい男の見分け方を教えて下さい」というものだ。

男性から女性を見る場合ほどではないかも知れないが、女性も男性のどこかを見て相手を気に入り、その外の部分についても好ましい人間像を作り上げて「いい人」だと認識して、恋愛し、恋愛がバブルになって、結婚する。

例えば、何かに打ち込む姿を見て「一途な人だ」と評価して、仕事にも真面目だろうし、生活力もあるだろうし、家族には誠実だろう、といった推測を積み重ねた人物像を勝手に作って結婚してしまう。

ところが、結婚してみると、一途に努力するのは女性の気を引くことだけだったり、趣味にはともかく仕事にはサッパリ打ち込まなかったり、全く自分勝手で非協力的あったりすることが後から分かる、というような失敗が少なくない。

 相手に対して「イメージを勝手に作り上げる」点については、男性の方が症状は重い傾向があるが(行動経済学的には男性の方が「オーバー・コンフィデンス」、つまり自信過剰な思い込みが強いことになっている)、女性もしばしば同様のミスをする。

世の中には、一緒に生活してみて、ドメスティック・バイオレンス(DV。家庭内暴力)、浮気、稼ぎの悪さ、過剰消費、借金、生活力の無さ、家事に非協力的、モラル・ハラスメント(モラハラ)、マザコン、など結婚前には分からなかった「耐え難い個性」が顕れてきて、結婚が破局に至るケースが多々ある。こうした男性を結婚前に見極めることが出来ないものだろうか。

筆者は、お金の運用が専門なのだが、選ばない方がいい運用商品のことを「地雷」と呼んでいる。例えば、近年話題のiDeCo(個人型確定拠出年金)で言うと運用商品の選択肢が30商品くらい並んでいるとして、そのうちの25本くらいは、加入者が選ばない方がいい「地雷」的な商品だ。端的に言って、無駄に手数料が高い商品なのだが、金融機関側の儲けになるので「地雷」は並んでいる。但し、金融商品の場合、「地雷」の見分け方は案外簡単で、年当たりの運用手数料が0.3%以上のものを避けると9割以上を排除できる。

それでは、男の「地雷」に見分け方はあるのか?

話を「盛る」男は「地雷男」である!

結婚に不適格な男の最たる特徴は、「小さな嘘をつく男」だ。事実以上に大げさに物事を語ることを俗に、話を「盛る」と言うが、自分について話を「盛る」タイプの男は「地雷」である可能性が大きい。

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男女を問わず他人に自分を良く見せたい心理はあるので、多かれ少なかれ背伸びをして見栄を張るものだが、「経歴」、「人間関係」、「能力」、「稼ぎ」などに関して、事実でないことが後から確認できるような話をする男は、結婚相手には不適格だ(もちろん、遊びの相手にも、他人に紹介するにも、不適格だろう)。

 例えば、自分の学校時代の勉強やスポーツの成績などについて話を「盛る」男を、仮に「盛り男君」と名付けよう。盛り男君は、実際の自分と「他人に見せたい自分像」との間にギャップを抱えていて、現実を認めるのではなく、話を作るので自分の中に着々とストレスを溜め込む。盛り男君の小さな嘘は、その嘘を維持するために、別の嘘を呼ぶし、やがて嘘のサイズが本人の耐えきれない大きさにまで育つ。

 しかし、盛り男君は現実を自分でも認められないために、「僕は、本気を出したら凄いのだ」というフィクションを維持しようとする。例えば、仕事にいつまでも本気を出さない状況にしばしば逃げ込む。本気を出すことを妨害する「何か」を見付けては、いつまでも真面目に働かなかったり、他人に対して攻撃的になったりする場合がある。この「何か」は、上司であったり、仕事がツマラナイことであったり、妻の態度であったりする。

 このような性格と仕事振りなので、盛り男君は、男性の間で信頼されていないことが多い。また、もともと現実に満足できないから話を盛るのであって、当然ながら、妻が当初期待したよりも稼ぎが悪いことが多いはずだ。

 妻の側で、夫とは単に給料を運んで来る「家庭内ATM」のようなものだと割り切るとしても、盛り男君は「地雷男」なのだ。

 加えて、自分の外に不都合の原因を求めるのだから、盛り男君は、DVやモラハラ、浮気や、浪費、などに走る可能性が大きいに違いない。

盛り男君を避ける為には、盛り男君の過去を調べることや、彼を知る第三者の話を聞いて、盛り男君の話と事実とを突き合わせてみることが大事だ。恋愛の渦中にあって、冷静に相手について調べる心境には至らないかも知れないが、ここで一手間を惜しまないことが肝心だと申し上げて置く。

盛り男君の見分け方を、もう少し伝授する。

例えば、大学院だけ名前の通った大学に行って、最終学歴しか経歴として語らない、俗に言う「学歴ロンダリング」をやる人物は盛り男君タイプの男性である可能性が大きい。こういう人物と一緒になると、彼の「優秀な僕」のフィクションに付き合うのは苦痛だろう。加えて、この種のロンダリングされた経歴は世間で評価されないので、稼ぎも期待以下だろう。

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逆に、「自分はたいした男ではない。でも、諦めずに頑張っているのですよ」と自分で述べ、自分を率直に見つめて他人に語る事が出来る男性は、盛り男君のような歪みを心に抱えていないし、今後に伸びる余地があるだろう。当面の収入や容姿などに拘らずに結婚してみると、いい相手であるかも知れない。

また、盛り男君は、他人に話を大げさに聞かせるために、或いは嘘の露見を避ける為に、過剰に秘密主義的である場合が少なくない。「この話は、他人に言ってはいけない」という注釈の多い男は、盛り男君である可能性が大きい。相手によって話を使い分ける人物は、男女ともに世間で信用されないし、ビジネスパーソンとしても上がり目が乏しい。

淑女の皆さんは、大いに気を付けて欲しい。

焼き魚定食の食べ方をチェックしよう

結婚相手は、単に恋愛の相手であるだけでなく、「恋愛バブル」の期間(推定は平均4年)を過ぎても長きに亘って一緒に暮らすことになる可能性が大きな生活のパートナーだ。生活の観点から重要な、「地雷男」を避ける為のチェックポイントを三つ補足しておこう。

先ず、お金の問題は重要だ。男女双方に言える事だが、経済観念の無い相手と結婚すると苦労する。

例えば、デートの時にカードで買い物をして、リボルビング払いで支払う男は、少なくとも結婚相手には不向きだ。リボルビング払いは、ひどく金利が高く経済合理性を欠いており、この点に気付かないようでは、その人物に経済的将来性はない。また、リボルビング払いは、金融機関が仕掛ける借金生活の入り口でもある。

もちろん、消費者金融、カードローンなどで借金の残高を持っている男性は、将来爆発する地雷である以前に、現在爆発しつつある地雷なので、絶対に避けるべきだ。結婚は、少なくとも借金を完済して、「今後、同様の借金をしません」という誓いを立てさせてからだ(それでもお勧めは出来ないが)。

また、生活ということになると、相手との食事が楽しいかどうかが大変重要だ。食の好みのちがいは将来変わる可能性があるので、結婚時点でのダメ出し要因にまでしなくていいと思うが、「食べ方の汚い男」とは一緒に暮らすようにならない方がいいと思う。食べ方の汚い男性との食事は、生理的に辛いと言う女性が少なくない。恋愛感情を一時棚上げして、相手の「食べ方」を冷静に評価してみよう。近年ではめっきり減ったが、いわゆる「見合い」の席で、食事を共にすることには意味があったのだ。メニューは高い物でなくてもいい。焼き魚定食の食べ方をじっくり観察すると、だいたいのことは分かるだろう。

最後に、詳しくは前回の当コラムを参照して頂きたいのだが、男性と母親との心理的な距離や、男性の母親の人となりは、結婚前に是非チェックしておくべきポイントだ。

著者プロフィール

山崎 元

(やまざき はじめ)

1958年、北海道生まれ。
東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。 現在は、コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演、各種委員会委員等を務める。

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